港区=パリ15区国際友好都市提携の締結について
港区国際化・文化芸術担当
パリ15区と東京都港区は、2025年3月26日に国際友好都市提携を結びました。今回の提携は、港区における記念すべき初めての国際友好都市提携です。今回、寄稿させていただくにあたり、提携までの経緯や、今後の取組をご紹介いたします。
港区では、パリの夏の風物詩である「パリ・プラージュ」にちなみ、「泳げる海、お台場」を将来に残すことを目的とした海水浴イベント「お台場プラージュ」をパリ市と連携して2018年から開催するなど、友好を深めてきました。
2024年開催 お台場プラージュの様子
友好を深める中で、港区がパリの自治体と国際友好都市提携を検討した際、パリ市より15区をご紹介いただきました。また、時期を同じくして、15区は、パリオリンピック・パラリンピックを見据えて東京のある区との関係構築を検討しており、在日フランス大使館より港区を紹介いただいたそうです。
15区と港区は人口が同規模(15区の人口は約24万2千人、港区は約26万人)で、15区はセーヌ川沿いに、港区はお台場海浜公園に自由の女神像がそれぞれあるほか、両都市とも経済活動が活発でメディア産業が盛んであるなど、多くの共通点を有しています。
このようなご縁の中、2022年10月、15区の方々が来日された際に、港区にもお越しいただいて港区長と意見交換を行ったことを契機に、両都市は行政連携に向けた実務者レベルの意見交換を重ね、大都市が抱える課題についての連携、課題解決の手法を検討してきました。
そして、2024年6月には、15区と港区はあらゆる分野における永続的な関係を構築し、両都市の友好関係及び交流を発展させる枠組みを定めた、MOU(覚書)を締結するに至りました。
2024年6月26日 MOU締結式の様子
MOUの締結後、2024年秋にパリで開催された「世界一大きな絵2024パリ」に両都市が参加したことが、両者の関係をさらに前進させるきっかけとなりました。「世界一大きな絵」とは、特定非営利活動法人アース・アイデンティティー・プロジェクツが主催する、世界の子どもたちが描いた絵をつなぎ合わせて大きな絵を作るプロジェクトです。港区からは、にじのはし幼稚園の園児、お台場学園港(こう)陽(よう)小中学校の児童・生徒たちが制作した絵が、パリ15区に所在するアンドレ=シトロエン公園において、世界の子どもたちが描いた絵とあわせて展示されました。2024年9月、展示にあわせて開催された完成セレモニーに15区と港区が出席し、改めて覚書の内容とともに、今後の国際友好都市提携に向けて協力していく意思を確認しました。
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2024年9月28日 シトロエン公園での式典の様子 |
2024年9月28日 シトロエン公園での絵の展示の様子 |
これらの交流を経て、2025年3月、MOUに基づき、相互理解、協力及び連携をさらに深めるために、両都市の発展に寄与することを目的として、国際友好都市提携を締結しました。締結式はオンラインでの開催ではありましたが、画面を超えて港区長と15区長は互いの親交を深め、両者、提携書にサインをしました。締結式においては、港区では在日フランス大使館のフィリップ・セトン大使、15区では在フランス日本国大使館の山谷広報文化公使にもご同席いただきました。
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締結式での両区長 |
今後の交流としては、両都市で意向が一致している文化、教育分野から検討を進めています。まず給食交流です。15区の学校において日本食の給食を、港区立の学校でフランス料理の給食を、それぞれ提供できるよう調整を進めています。食育を通じて児童・生徒が外国都市の文化を学ぶことで、両都市の親交のみならず、子ども達の世界各国との国際交流のきっかけづくりとして重要な機会となると考えています。
今回の国際友好都市提携の締結により、今後も、両都市の絆をさらに深め、互いの強みを生かしながら、持続可能な発展を目指してまいります。
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