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パリ事務所(クレア・パリ=CLAIR PARIS)は、日本の地方団体のフランスにおける共同窓口として、1990年10月に設置されました。

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備前焼と茶の湯の世界in France開催!!

日仏茶道交流会代表の森宗勇氏を中心に2011年から行っている、フランスにおける茶道と伝統工芸品の紹介事業が、10月20日(金)、21日(土)に兵庫県パリ事務所で開催されました。

7回目を迎えた今回は、パリだけでなくグルノーブル・アルプ大学での講演やスペインの世界遺産・カサバトリョでの茶会、アルジェリアの文化宮殿での展示も行われます。茶道とコラボレーションする伝統工芸品については、毎年取り上げられる焼き物が異なっています。今回は、今年4月に、鎌倉・室町時代から絶えることなく焼造活動を続けてきた六大古釜とともに日本遺産に認定された備前焼がテーマとなりました。

一般公開に先立って行われた内覧会(ヴェルニサージュ)では、主賓に木寺昌人駐仏日本大使が招かれ、備前焼を鑑賞された後、着席での茶会が催されました。茶会というと、畳の上に正座をしてお茶を飲むというイメージがありますが、1872年に京都で博覧会が開かれた際に、海外の方にも親しんでいただくために立礼(りゅうれい)式という椅子に座って行うお点前が誕生したそうです。大使と一緒に、2名のフランス人がこの立礼式でお茶をもてなされ、器や茶菓子に見入っていました。また、兵庫県パリ事務所で開催されたことにちなんで、播州灘の日本酒やそうめん、赤穂の塩を使用した料理や、森宗勇氏と同郷の船橋市でご活躍されている高木康裕シェフが作ったチーズケーキが振舞われ、参加者に大好評でした。

一般公開では、日本人と一緒に訪れる方だけでなく、フランス人だけで参加される方もいらっしゃいました。一般公開では、立礼式ではなく畳が用意されており、参加されたフランス人の方も正座で茶道体験されました。参加したフランス人の1人に話を聞いたところ、「昔、茶道を見て大変難しいと思ったが、興味深く今回参加した」そうです。また、釉薬を使わないために土と火の化学反応がそのまま作品に現れる備前焼を興味深く見入っている方の姿も見られました。森氏と一緒にこのイベントを企画した備前市の備前焼作家である木村英昭氏にもお話を伺ったところ、フランス人は、備前焼の持つ長い歴史と土作りを含めた備前焼製作の各工程に興味を持つ方が多いということでした。

日本遺産に認定されたこともあいまって、今後備前焼が欧州で広まることが期待されるとともに、正座だけではない茶道の魅力が海外に広まればと思います。

 

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      木村英昭氏による備前焼の説明              立礼式のお点前

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