奈良県の海外販路拡大への取組について～フランス・パリ～

奈良県産業振興総合センター

近年少子高齢化等により、国内市場が頭打ちになりつつある中、世界規模で見ると人口は増加傾向にあり、市場の拡大や新たな市場が開拓されるなどビジネスチャンスが広がっています。そのような中、奈良県では中小企業の海外展開支援の一環として、平成３０年、３１年とフランス・パリでのプロモーションや商談の場を設けてきました。流行の最先端の都市、パリは、多くの有名企業が店舗を構える一等地であり、全世界からバイヤーが集まる影響力のある都市です。経済活動が活発化する中、奈良県では、再びパリで、県内中小企業の海外展開支援として、好感度なコンセプトショップを昨年９月中旬から１ヶ月間貸し切り、テストマーケティングを実施。また、それに引き続き、同店舗のオンラインサイトにおいても１ヶ月間実施しました。

テストマーケティングとは、商品やサービスの販売にあたり、限られたエリア、期間で試験的に展開し、そこで得たデータを商品の改良・改善に活かすマーケティング手法です。今後の海外展開におけるミスマッチを最低限におさえ、成功率を高めるため、的を射た商品展開・改良、価格設定、ターゲティングなど、今後のマーケティングに活かし、新たな成長機会を見いだすことが目的です。

今回は県内中小企業１０社が挑戦しました。県内の地場産業でもある靴下、繊維商品、木工品（雑貨、家具）などさまざまな分野、また、輸出未経験者および新たな市場開拓や再チャレンジを図りたい海外経験者も含め幅広い層が参加しました。店舗はルーブル美術館やオペラ座からも徒歩圏内の「Discover Japan Paris」で、ディスプレイ面では、商品の魅力を最大限に引き出せるよう、統一感のある洗練された空間を作り、各事業者のそれぞれの魅力を引き出しました。

実施にあたっては、勉強会、個別面談での事前準備、現地視察、実施後のフィードバックも含め、委託先、ジェトロ奈良と協働して、事業者に寄り添った一連の流れを丁寧に行うことで、参加企業が次のステップへ繋げていけるようなサポートを心がけました。

テストマーケティングは、売れ筋商品の傾向や、値ごろ感、ターゲット、来店者の意見から読み取る商品の課題などを学んでもらい、参加企業それぞれの今後の海外展開に生かす実践の場となり、高評価を得ました。販売結果としても好調で、開始後１週間で商品が品切れになるものや、靴下や繊維商品などは、期間中のリピート客があるなど、追加発送する企業が続々と増えるなど、良い反応が見られました。

今後も、１社でも多く自立した海外展開ができるよう、奈良県は、引き続き海外販路開拓・拡大をサポートするとともに、こういった取組を通じて、県内企業の発展、そして地域の活性化へと繋げていきたいと考えています。

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