静岡県小山町とル・マン市との国際友好交流協定締結について
静岡県小山町企画政策課
令和7(2025)年7月3日、フランス共和国ル・マン市役所にて、ル・マン市、小山町(おやまちょう)、フランス西部自動車クラブ、富士スピードウェイ株式会社の四者間による国際友好交流協定を締結いたしました。
協定締結式
この協定は、共にWEC(世界耐久レース)を行う、サルト・サーキット(ACO)を擁するル・マン市と富士スピードウェイを擁する小山町の両市町のモータースポーツを軸として、文化、社会、経済、環境等の各分野において共通のプログラムを実施することや交流を通じた友好協力関係を確立することで、日仏両国民の友情の深化に寄与することを願い、締結したものです。
小山町は、世界文化遺産、富士山の頂を町域に含み、昭和51(1976)年10月に日本で初めてF1レースを開催した国際サーキットである『富士スピードウェイ』を擁する町として有名であります。
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小山町の風景(田んぼに映る逆さ富士) | WRCレースと富士山 |
近年では、その雄大な富士山と富士スピードウェイなどの魅力を活かしたホテルなどが計画され、次々とオープンしております。
令和9(2027)年度には、新東名高速道路の全線開通が予定され、富士スピードウェイ隣接地には、パーキングエリアとスマートIC(インターチェンジ)が設置されます。その好機を活かしモータースポーツ関連産業等を集積し、小山町とトヨタ不動産が協力して進めている「富士モータースポーツフォレスト」の開発が本格化しております。
既に富士スピードウェイの隣接地には、先行して『富士スピードウェイホテル』(富士モータースポーツミュージアム併設)などが開業し、富士スピードウェイが60周年を迎える令和8(2026)年に向けて温浴施設など様々な施設の建設が進められており、モータースポーツを核とした町の振興に気運が高まっているところです。
富士スピードウェイホテルと富士山
小山町とル・マン市との関係は、平成11(1999)年、富士スピードウェイで開催された 「ル・マン富士1,000km」に名誉スターターとしてル・マン市からロベール・ジャリ(Robert Jarry)市長が来日し、当時の小山町・長田央(おさだ ひさし)町長にガラス製のオブジェをプレゼントいただいたところに遡ります。長田町長はその時の思いを『ともにサーキットのある町として、小山町とル・マン市との交流が深まっていくことを願う』と大会公式プログラムに記しておりました。
プレゼントされたガラスのオブジェ
ル・マン24時間レースをはじめ、深い歴史を刻みながら続いてきた耐久レ―スは、平成24(2012)年、国際自動車連盟(FIA)と、ル・マン24時間の開催で知られるフランス西武自動車クラブ(ACO)が運営するWEC(FIA世界耐久選手権)へと進化を遂げました。同年以降、日本では、富士スピードウェイが毎年の開催地となっており、WECの魅力を日本のみならず、アジアそして世界に広げる一翼を担って参りました。
その後の交流を経て、 令和6(2024)年6月、小山町の現・込山町長がル・マン市を訪問 した際に、モータースポーツの魅力を世界に発信すること、そしてモータースポーツを通じた産業振興を目指して、国際友好交流協定の提案をいたしました。
同年11月には、ル・マン市副市長が来日した際に小山町内を視察し、日仏自治体交流会議(静岡市会場)にて、副市長から小山町と協定を締結する意向であることを発表いただき、今回の協定締結に至りました。
この協定締結を契機に、モータースポーツの聖地として、小山町とル・マン市の交流がさらに活発になっていくことを期待しています。
締結式でのルフォール市長(右)と込山町長(左)と金太郎(中)
締結式時の各コメント(抜粋)は以下のとおり
小山町長:込山正秀(こみやま まさひで)
「このたびル・マン市、フランス西部自動車クラブ、富士スピードウェイ株式会社との四者間で国際友好交流協定を締結できますことに、深い感謝と喜びをお伝えします。今後、モータースポーツという共通の舞台を通じて、若い世代の育成、地域の魅力発信、さらには国際社会とのつながりを一層深めていけることを心から願っております。」
ル・マン市長:ステファン・ル・フォール(Stéphane Le Foll)
「今回のモータースポーツという共通のアイデンティティと情熱を持つ両市町が、このような形で協定を締結できることを大変誇りに、また大変うれしく思っております。
これからは、素晴らしいサーキットを持つ両市町が協力し、文化、社会、経済、環境などの分野で連携し発展していくことを期待しています。」
フランス西部自動車クラブ会長:ピエール・フィヨン (Pierre Fillon)
(締結式には、副会長のジル・ユットパン(Gilles Huttepain)氏が出席)
「富士スピードウェイは、ル・ マン市民が最も知っている日本のサーキットです。なぜなら、我々がWEC(世界耐久) レースを始めた際にすぐに手を挙げ、WEC(世界耐久) レースを共に開催してくれたレース場であるからです。両サーキットの発展が、両市町の発展に繋がるものであると確信しています。」
富士スピードウェイ株式会社 代表取締役 社長執行役員:酒井良(さかい りょう)
「今回、モータースポーツに情熱を持つ両市町の協定締結の一員になれたことを誇りに思い、嬉しく感じています。富士スピードウェイは、来年60 周年を迎えます。ル・マンの、レースに対する情熱や文化を大きな目標に、さらにアジアのモータースポーツの中心地と言われるような場所を目指してまいります。」